2026年02月16日
農業の高齢化問題は、以前から話題にされています。けれどそれは、どこか遠くの統計の話として受け止められがちです。
今回は、当会の実態をひとつの例として、私たちのすぐそばで起きている現状をお伝えしたいと思います。
日本農業の従事者は、世界でも稀に見る高齢化が進行しています。平均年齢はほぼ70歳近く。
当会の4軒の茶園でも2茶園が70代です。今回、奥様が体調を崩された茶園が深刻な現状に直面しています。
家族経営の茶園において奥様の存在は欠かせません。日々の仕事の多くを担う大切な働き手ですから、奥様が働けなくなることは大きな痛手です。
例えば、お茶刈りも成り立たなくなってしまいます。

山間の茶畑では、可搬式のお茶刈り機でお茶を刈ります。写真の通り、最低2人いなければ行えません。
「人を雇えば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、現状は簡単ではありません。慣れていない人でないと務まらない、虫も多くマダニやヒルに咬まれることもあります。万が一の事故や健康被害が起きた場合、責任を負えないという現実的な問題も抱えています。
生産者の高齢化に伴い、製茶や仕上げの機械も老朽化が進んでいます。古い機械のため部品が取り寄せられない、修理をしてくれていた技術者も高齢化で既に廃業。こうした設備面の限界も、作り続けていくことが難しくなっている現実のひとつです。
当会の茶づくりも、すべてを守り、これまでと同じ形で続けていけるとはもはや言えません。
それでも有機茶に込められてきた茶農家の生き方そのものを、失われるままにして良いとは思っていません。
たとえ、伝統の茶づくりが失われても、伝え続けられるものは何かを模索して参りたいと思います。
お茶に限らず、今、職人技の日本の伝統技術が消滅に向かっています。
当会の茶づくりのこれからも、現実を受け入れた覚悟の茶づくりへと向かいます。